ニュースキックオフミーティング (終了)

キックオフミーティング (終了)

2008.06.25

「二次電池による社会システム・イノベーション」

-EVを中心として-

日時:2008年6月25日
15:00~17:30
開催場所:東京大学農学部弥生講堂一条ホール

1.全体最適を実現する社会システム・イノベーション-宮田- 15:00~
資料(380KB)
2.研究開発グループAの研究方針-高橋- 15:30~

3.研究開発グループCの研究方針-堀江- 16:00~

4.研究開発グループBの研究方針-松橋- 16:30~

5.討論17:00~

研究グループAの研究テーマ(発足時)

・EVの適用車種拡大のための周辺技術とその経済性評価(高橋・鵜沢)
EVの適用車種・用途は1回の充電による航続距離の短さから大きく制約されており、電池技術の大幅な進展が待たれているが、本研究では、太陽電池の搭載や車体軽量化による航続距離延長もしくは電池重量・コスト低減の可能性をWtW分析と経済的成立性の両面から検討する。
・GPSとの連携システム:プラグインHEVの社会受容性/ 急速充電システムの社会受容性(堀江・田中)
プラグインHEVは電池量を減らせるメリットがあるが、純EV走行の短さと、電池残量低下に伴う最大出力低下が、潜在的な課題である。車両搭載のGPSと連携させ、これから遭遇するであろう高速道路、高低差等を予測し、発電機始動タイミングを制御することで、動力性能を保証すると共に、エネルギー効率を最大にする手法を創出する。EVにおいても、同様に急速充電スタンド位置情報と連携することで普及に供する。
・EV用電池のリサイクル性とその向上(堀江)
EV用電池は一台あたりの搭載量が大きく、リサイクル技術は必須である。これは電池に用いられる資源の観点からも大切である。EV用電池のリサイクル成立性に関して、コスト・資源の点から検討を行う。またエコデザインの観点も取り入れ、再生可能な電池設計の検討を行う。

研究グループBの研究テーマ(発足時)
・電気自動車とエネルギーシステム(松橋・吉田)
ライフサイクルのCO2排出量の観点からは内燃機関車の製造時に起因するCO2排出の割合は10~20%程度であるが、電気自動車ではその割合が高くなる。本研究において今後の蓄電技術の開発動向を評価する場合には、二次電池やキャパシタの製造に起因するエネルギー消費量もあわせて考慮する必要がある。電気自動車の評価においては単体のLCA評価のみならず、電力系統への影響を含めたエネルギーシステム全体からの視点が必要である。商用電源から充電する場合には、季節や時間帯によってCO2排出係数が異なる上、大規模な普及を想定する場合には電源構成への影響も考慮しなければならない。このように電気自動車の環境負荷は幅広い視点から検討する。
・電気自動車の社会的受容可能性(松橋、吉田)
自動車の使用形態は、保有する車両のサイズ、1トリップあたりの走行距離、あるいは利用頻度といった点が、都市部と地方部によってさらには個人によって異なることを考慮し、電気自動車の普及による環境改善が特に効果的である車両サイズや地域などを探ることも求められる。電気自動車の導入効果を推定するにはまず現状の自動車交通のCO2排出構造を知る必要がある。乗用車の排出するCO2について、近年の地域別排出量の変化を、保有台数、走行距離、燃費効率の変化に要因分解した結果をみると、全体として、CO2排出増加の主要因は地方の普通乗用車であり、保有台数、走行距離ともに増加傾向にある。同時に軽乗用車もCO2増加に寄与しているが、保有増加を走行距離の減少で相殺している構造が見られる。ここでは後者に焦点を当て、世帯の複数台所有によって軽自動車の保有台数が増加していることと1トリップあたりの走行距離が減少していることに着目し、主に短距離トリップの代替需要としてのEVの受容可能性を検討する。
・液体燃料の供給制約と代替可能性(茂木)
環境とともに,EV社会に移行する直接的な要因である石油の供給制約と,GTL,CTL,バイオ燃料などによる代替を考慮した,液体燃料のグローバルな供給シナリオを考える。
・消費者の選好を考慮したEVの将来市場予測(茂木・松橋・吉田)
選好によって購入する自動車を決定する消費者と,その消費者の集団としての仮想的な市場モデルを構築し,様々なシナリオのもとでEVの将来市場のシミュレーションを行う。

研究グループCの研究テーマ(発足時)
・電池の閉フローシステム構築による資源確保・環境負荷低減の研究(堀江)
電池をEVから切り離し、社会システムに取り込むことで、大型電池の生涯を通じた閉じたフローシステムを構築する。これは電池リサイクル/リユースあるいは長期資源確保の観点からも極めて有利と考えられる。この将来効果を定量的に研究する。
・電池の社会資本化に関する研究(堀江・田中・武市)
次世代の2次エネルギーの供給源として電池は有望視されている。従来の低容量用途の電池に代わって高容量の電池には、環境負荷軽減等の多くの利点を有しているが、初期導入コストが著しく高いことが普及の妨げとなっている。そこで本研究では、社会資本としての電池、特に充電が可能な2次電池を対象として、早期普及を目指し、電池購買者のみが電池の初期コストを負担するのではなく、電池購入者は利用料を支払うことで初期費用を軽減できる社会システムの設計を行う。具体的には電池が有望と思われる適用分野と市場規模を推定し、二次利用を視野に入れて金融的な手法を取り込むことで電池を社会資本とし早期普及実現へ向けた研究を進める。
・カーボンオフセットによる電池普及効果の検討(堀江・武市・田中)
EV普及の最大の課題はその電池の高いコストにある。電池が劣化しEV用途に使えなくなっても、例えばロードレベリング用途であればリユース可能で大きな残価を有するが、社会的システム構築貢献により期待される社会的な省エネ効果(CO2削減効果)を算出し、カーボンオフセットプレミアムを付加することで、電池コストの低減がどこまで可能かを探り、EV初期導入への影響度を明らかにする。
・電池ライフの評価手法の開発(堀江・田中・武市)
電池が長寿命化するならば、EV利用の後も、一般利用に長期的に供し得ると考えられ、例えば電力平準化などのリユースを介して、大きな潜在的な価値を生じ、EV導入時の高コスト問題の解決策となる可能性がある。電池債権化に向けた一つの前提は、電池の経済的価値を常に正確に把握できることであって、①電池寿命予測と共に、②標準寿命計測法を確立し、③日々の電池状態収集システムの構築(インターネット、ワイヤレスシステム、フラッシュメモリ他)、④透明性の高い個々の電池データ保存/管理の確立が必須であり、基本的な概念設計を行う。